本格格闘MMO小説

スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))

優。
すげーすげー。

SFというほどSFではない。現代小説みたいなものである。
「おれがやりたかったシェンムー」*1といった舞台設定のゲームと、主人公のやる気のない大学生活とヒロインのやる気のある大学生活だけ出てくる小説である。
全くMMOを知らなくてもわかるように書いてある。というかその導入が映像的というか映画的。

テーマ的には「何をつかむか」ってことかな。「そこには何があるの？」という問いに対する答えの話。

物語的な嘘と言えば60分の1フレーム単位の見切りが必要な格闘ゲームをネットワーク越しにやる事と、物理エンジンをここまで使ったゲームは「まだ出ていない」ってことかな。PS3かXbox360で出て欲しいものだ。

まーでもFPSだってガンダムDXだってバーチャロンだって高速戦闘をネット越しにやってるわけだし。
物理エンジンも普及の推進がガンガンぶち上げられているし、現代物の小説になる日は来年か再来年くらいかもしれない。

物語的な嘘がもういっこあった。
あんなキレイなヒロインがネトゲーヲタにそんな熱心にせまってきてくれるわけねーだろ（泣きながら地平線へダッシュ）

*1:操作系は完璧バーチャファイターシリーズだと思う