私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

ぺとぺとさん

ぺとぺとさん (ファミ通文庫)

ぺとぺとさん (ファミ通文庫)

良。
アニメ録画全部見た記念。

原作も既読だったわけだが、日本語表現に少量だが難があった。あまりにも今風のライトノベルすぎて素直に脳に入らない。
あと問題なのは序盤で世界構築を極めてうまくやっておいて「みにょコン」「いもてん」での描写でどうにも失敗している感じがすること。というか、いらんわこの要素。特定種族*1が混ざっている以外、メンタリティが普通の高校生たちを集めといていきなり妹萌え要素を展開しようとしても、作品中の人物がドン引きしている以上に読者がひいてしまう。これはツライ。

アニメ版ではこのへんを上手にはしょり、キャラクタたちに生き生きと辟易させることで無理なくこなしている。ラストでの「さよなら、ぺとぺとさん」の台詞は、単に博多へ行ってしまうという意味ではない深み*2を原作以上に感じさせるものであった。
今の世の中原作を忠実にやるだけでも「良」をつけたいのであるが、それを超えた出来であるからしてアニメには文句なく「優」を進呈したい。

ぺとぺとさん 第1巻 [DVD]

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ぺとぺとさん 第2巻 [DVD]

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ぺとぺとさん 第3巻 [DVD]

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原作はなかなか良い感じで続巻が出ているので、アニメとの相乗効果で今後が期待できると思われる。*3

*1:差別用語:妖怪を言葉狩りした表現

*2:特定種族という呪縛からの開放

*3:ライトノベルにとって貴重な「なんか続巻が出ない」に対する対抗属性の獲得