私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

BOOKOFFで遭遇した紳士

私がライトノベルの棚で手を出していないシリーズに挑戦するかどうか悩んでいたら、白髪の半分ほど混じった恰幅の良い紳士がやってきた。びしっとしたスーツ姿で、葉巻よりもパイプの方が似合いそうなタイプの方である。
ライトノベルなどまったく興味がなさそうな外見なので素通りするのかと思ったら、私の見ている隣の棚で止まった。私は邪魔にならないように少しハヤカワのSF棚へ動いて本を見ていた。
すると、私がちょっと手を取るのに躊躇するような萌えどまんなかの作品を、どんどんカゴに入れていくではないか!
私は、負けたと思った。なんだかよくわからないが負けた気がした。
その後私が新書の棚を見てから漫画のコーナーに行くと、そこでも萌えど真ん中の作品をどんどんどんどんカゴに投入していた。
完敗だ。完敗だった。その背中が「若造とは年季が違うのだよ」と語っていた。