私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

月の盾

じゃあ平凡が悪いかっていうと、そうでもない。この作家、直球勝負の作家みたいなんで。
最初のシリーズは「灰色のアイリス」シリーズなんです。これ、ある意味凄いですよ。「書ききった中二病」なんで。主人公はオッドアイの格好良い青年で、中空から日本刀と空飛ぶ獣を召喚して戦い、いよいよ追い詰められると自分でも制御しきれるかわからない必殺の炎をぶちまける召喚獣を奥の手に出す、ついでにトラウマ持ちっていう。ヒロイン(幼女・イヤボーン属性持ち)を救うためにどんどん出てくる最強とか最強とか最強をがんがん倒していくっていう。そんでそんなんなのにちゃんと最後まで書ききってて話として読めちゃうっていう。
で、次作が護くんという。殺伐中二病の次がこういう萌えど真ん中直球。マジで?と思いましたよ。全然傾向違うのに。
で、一番最近読んだのがコレ。

月の盾 (電撃文庫)

月の盾 (電撃文庫)

優。
この作家に、初めて優をつけたくなった。
直球が磨かれて磨かれて、いつのまにか剛速球になってた。
まあちょっと細かい描写で不満点はあるんだけれども、そんなのどうでも良い。だってちょっと泣かされちゃったし。
一巻完結の、ほぼ現代日本物。あいかわらずベタなんだけど、ベタなんだけど、平凡なんだけど、だからこそ良いのであるよ!王道に達したのであるよ!