私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

ウオークマンの敗北

私は、ウオークマンの敗北理由はsonicstageとmp3にあると思っている。
国内でmp3を禁じてATRACのみにした対応は、当時のアーリーアダプター層に「mp3なんか使ってるお前らは犯罪者だ」という強烈なメッセージを発していた。馬鹿にされてて、買うかい?
まあ実際公衆送信権の侵害者だったりするケースもあるわけだが、そういうやつらですら「音楽に興味を持っていてカセットやMDから乗り換えようとする奴ら」から見たら「パソコンに詳しい奴」として相談相手だったりするわけで。また既にPCで音楽を聴くために膨大にCDリッピングをこなしていた層も「この必死にリッピングして必死にタグ打ったmp3どうしてくれる。しかも犯罪者扱いか」となっていたわけです。*1
そして「なめとんのか」レベルで使いづらかった楽曲管理ソフト。
そこへ行くとiTunesは「あなたのコンピュータで簡単にリッピングから情報入力から再生までやって差し上げます。既存ライブラリもどうぞお使い下さい」から入って楽曲のライブラリをまず握ってしまった。そこへ来て「ええっと外で聞きたいならこういうのもございますが…」とiPodを差し出すという具合だ。
「外で聞く小型の機器」が主だと思っていた会社ではこれはできなかった。まず握るべきはユーザのライブラリだったのに。

*1:少なくとも私の半径100メートルではそうだった。