私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

陸上自衛隊のお仕事

ここのところJSF×ぼるじひ社を見ていて自衛隊のお仕事について理解が深まった。
自衛隊のお仕事は、戦争を抑止すること。
そのために、日本に戦争を仕掛けるコストを押し上げる必要がある。攻め込んだ方が得だという判断を周辺国がしにくくなればなるほどうまく仕事ができていることになる。
そのために必要なことは二つ。

  • 世界最強の軍隊であるアメリカ軍と緊密に連携をとる
  • 自衛隊が強いと周辺国に思わせる

前者が安上がり*1だから、アメリカと合同で訓練するし、基地も提供する。米軍は米軍基地が攻撃されたら確実に反撃してくれる。*2米軍に攻撃されることは考えなくて良い。その場合抵抗は無意味なので諦めた方が安上がり。


で、後者。
日本は航空自衛隊に飛行機をそろえて、海上自衛隊に軍艦をそろえて、陸上自衛隊に戦車とか装甲車とか自走砲とか小銃とか毎年予算をちょっとずつ使ってそろえているが、定期的に「上陸されてる次点で空も海もやられてて日本オワタ\(^o^)/だから陸上自衛隊いらなくね?戦車とか買うの止めて船買おうぜ」とか偏ったことを言い出すやつが出てくる。
まあ上陸されてしまったらとんでもない非常事態で大変なことであるが、「上陸されてる次点で空も海もやられてて日本オワタ\(^o^)/」だと仮定しても「陸上自衛隊が強く見えている」ことは必要だということがJSF氏の記事を読んでいるとわかる。
なんでか。
陸上自衛隊が強く見えている」ことは、航空自衛隊海上自衛隊への効果的なサポートになるのだ。
上陸しようとする軍隊が一定の予算内で装備をそろえているとする。「陸上自衛隊が弱い」と思っていたら、上陸させる装備に割く金額はすこしでよくて、航空自衛隊海上自衛隊をやっつけるための装備に沢山お金を使える。空海自衛隊ピンチ。
でも、「陸上自衛隊が強い」と思っていたら、攻めようとする国は、上陸してからじゃないと役立たずな装備、海や空ではお荷物である装備を沢山持ってこなければならない。お金がそっちに取られてしまうから、空も海も助かる。
攻める方は空も海も打倒した上で陸を打倒するだけの予算が必要になるから、全体で必要なコストが上がる。コストが上がれば戦争は起きにくくなる。自衛隊の任務完了。



で、打倒するのに一番コストのかかる軍隊は陸海空バランスのとれてる軍隊だってのはまあ、当たり前だよねと。自衛隊はF4後継が遅れているなど現状すこしいびつなのはあるけど、そこそこバランスをとっているように思う。
そんなわけで10式戦車の購入は必要なことなんですってば。74式はもうそろそろ勘弁してあげて。

*1:生命の点でも、金額の点でも

*2:自衛隊がとちくるって竹島爆撃とかしたら動いてくれないかも知れないけど。韓国はアメリカの同盟国だから。