私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

小学生のときの自分は、肉体の使い方を知らなかった

ふと思い出したのだが、小さなころの自分は肉体の効率的な使い方を知らなかった。知らなかったがために、運動が嫌いになってしまったのでもったいなかったと思う。特に以下の点については高校生のころまで誤解していて、小学生のときに知っていればなあ、と後悔した。

  • そもそも「立つ、歩く、走る」ということからして間違っていた。

足首をほとんど使っていなかったのである。かかとから地面について、膝に力を思い切りかけてかかとで踏み切っていた。*1だから走るとすぐひざが痛くなる。持久走なんてとてもではないが膝が痛くてやっていられない。先生は怒る。校庭を追加で五周だ。帰り道を痛い足を引きずって帰った。正解は、足首の力と足指の力をうまく使って人差し指と中指で踏み切る。座布団の上で立ち、右の足指でつかんだ状態にして中腰になる。左側のももを胸のほうへ振り上げると同時に右足はつかんだままなるべく伸ばすと、自然にかかとを使って体が持ち上がる。これを普通に立ってから左ひざを前方上に打ち出すようにすれば、どたどたした走りではなくて人並みの走りになる。ASIMOの走行を見て気づいたのだが小学生のときの私とそっくりなのだ。かかとの力で体を打ち出さない*2から、クッションとしてしか足首は使われない。
ASIMOの走行を見て気づいたことがもうひとつある。私は走るのに腰を使っていなかった。普通に走るときには、左右の股関節を結ぶ線がボートのオールを漕ぐように動くはずなのだが、ASIMOや小学生の私はそれをしないから、なにかたどたどしい動きになるし、腰の時点でぶれないようにそっと走るわけだから、上半身でバランスをとる必要がほとんどない。これじゃあ遅いし本気で走っているように見えないし、同級生に馬鹿にされるわけである。

  • ボールの投げ方が根本的に間違っている。

小学生のときの私の投げ方を述べよう。
右手でボールをふわーっと握る。手首を固定。ひじをまっすぐの状態で固定。右手をまっすぐ上に上げ、後ろにがんばって引く。足を両肩の幅に開いて直立し、右手を肩だけで前に振るのと同時に右足を踏み出す。もうボールはどこに飛んでいくかわからない。もーぜんぜん正しい投げ方と違っていてどっから突っ込んで良いか分からない状態である。中学一年のときに体育教師にそういわれた。
正しい投げ方だがこれがすごく説明が難しい。色々な動きの合成として説明することにする。

    • 右手の手首の少し下を左手で握ってほしい。その状態で、右手首だけを動かしてボールを投げる。スナップの動き。
    • 右腕を肩からまっすぐ右に伸ばす。ひじから真上に立てる。手のひらを前に向ける。そのままひじの空間上の位置を動かさず、肩を前に回す。手のひらで何かをたたくような動作になる。
    • 同様に手を上に立てる。ひじを後ろに引き、水泳のクロールのように右肩を上側に弧を描くように回す。結果的に左肩は下に弧を描く。この間手首の向きは垂直に保ったままである。
    • おなかに両手を当てた状態で腰を水平に通常状態から左90度にひねったときの肩の動き。これを大きくすると右腕で投げている間に左手をひきつける動作になる。
    • 右足で立って、左足を体の横に大きく踏み出す動き。

これらの合成が普通の人の投げている動作になると思う。
上記の件が分かってから、さほど運動が嫌いではなくなった。小学生の私に何とかして知らせる方法はないですか。私のような小学生がいたら教えてあげてください。
…よく考えたら、こういう動きを科学して、子供を見て変な動きを見抜いて、指導するのが体育教師ってもんの仕事のひとつじゃないんか。自分で気づくまで根性で投げ込みさせんのとか走らせるのはとても無駄だと思うぞ。小学校のときの担任の一人は専攻は体育学だったはずだし、中学の体育教師なんか専門で教えてるんだから変な動作してる子供がいたら理屈でも教えてくれよ。運動が嫌いな大人が一人増えちゃっただろーがっ。

*1:足全面で踏み切るつもりで実質はそうなっていた

*2:おそらく、サーボに爆発的な力が必要。パワーが足りなくてまだできないのだ