私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

シン・エヴァンゲリオンを見た

ンアーッ!

最後の方を叫びながら見た。映画館で観なくてよかった。

やめてくれないか!そういうつらい現実を突きつけるのは!

陰キャが奇跡的に天使みたいなパートナーを得ても子供が生まれたとしても何かの拍子に失った反動で世界ぶっ壊しかねないっていう話に今までの全てを接続するのは!

実現していないからこそ保たれているもしかしたらの希望を粉砕するのは!

そもそもエヴァンゲリオン初回放送時にかろうじて自殺してないぐらいの不安定な心を抱えて不安な未来に怯えていた青少年の俺たちに毎週やってくるかっこいい何かを提供して現世につなぎとめといて、最終回でわけわかんなくして、映画が出るたびに謎が謎で謎にわかんないまま謎で気を紛らわさせておいて、今提供するのがこれか!

ンアーッ!

お前これ俺たちがおっさんおばさんになってるから感受性が落ちてて耐えられたけど当時にすんなりまとめて提供されててみろ、めちゃくちゃ大変なことになったはずだぞ!どのように大変かはもう自分でもよくわかんないけど死人は出かねないんじゃないかと思う。カルト宗教はたぶんできる。

当時から今までにかけて全て丹念にゆっくりかけていった呪いを薄皮をはぐようにペリペリとやっていって最後現世に返還して叩き出される感じ、25年かけて到達した地点として大変に感慨深い。

 

うーんまあ作中、仮称綾波レイがああなっちゃっておおってところまでは普通にアニメ見てた感じあるし、決戦に入ってまだわくわくエンタメアニメ見てたなってなるはずが、心象風景の戦いに入ったあたりで憑き物落としモードに入ってなんだろう少年の自分のお墓参りしてる感じになった。なお特撮バックヤード描写めちゃくちゃにそれっぽくて笑ってしまう。

それにしても既存の、そしてこれから現れるあらゆるエヴァンゲリオンの可能性、同人もゲームもすべて含めて存在肯定したし、今回の映画は正解脱出ルートの一つを記して出口はあるんだよと紹介したようなことになっている。すべてを対戦麻雀に回収するエヴァンゲリオンがあったとしてもエヴァンゲリオンだしあらゆるBL本でシンジ君を幸せにしようとして実は自分が幸せになりたいカオル君の描写は完全に肯定されてます。アスカが「シンジ、特撮を撮るわよ!」って涼宮ハルヒみたいなことを言い出してもOKです。なんなら世界に呪いをかけてエヴァンゲリオンで週1回ウルトラマンやる世界に変容させてもいいし、仮面ライダーをやったっていい。ビルドファイターズになったっていい。最後雑に出口がなくて巻き戻りエンドにしとけば今回の映画にちゃんと接続されるからね。旧3部作もばっちりつながってるからね。

そして「理解のある彼君」がマジでアスカに急に出現して驚いたし結局シンジ君もマリが理解のある彼君じゃん。急になんなの君。

これがTV版の「おめでとう」に一切おいていかれない素直な「おめでとう」なのか。あーそういうことか。おめでとうすべてのシンジ君。ありがとうすべてのエヴァンゲリオン

結論としては昔呪いにかかった人は見た方が良いです。見とけ。