読んではいけない。
- 作者: 宇本京平,緒方剛志,飯田馬之介
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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映画のCMを見て興味を持ったところで本屋に行ったら「先行ノベライズ」とあらすじに書いてあったので購入しました。
内容は初見で映画で見たかったと思わせる、映画に対する配慮の全くない単純なノベライズでした。ネタバレ小説って奴ですね。「滅亡寸前人類もの*1+アイテム持ち異人少女*2+少女の涙で奇跡*3」みたいですね。*4
それでは本の悪いところの説明。
まず、小説になっていません。説明文の羅列です。台本を読んでいるほうが日本語作品としてしっかり読めます。フィルムブックではないのですから、小説として作品になっている必要があると思うのですが、実際にはプロット集を読んでいる感触です。日本語として非常につまらない。
さらに映像にしたらさぞ良いだろうなと思われる光景を事実の羅列で解説しているので迫力が半減しています。先ほど書いたように初見で映画で見たかったというのはそういうこと。
例えば時代小説が「振り返るなり袈裟懸けに切り捨てた」と書くところを「体を180度反転した。刀を左上に持ち上げた。右下に振り下ろす。ヒットした点から右下まで流血エフェクト」と書いているようなことの連続。
あと、79ページあたりのシーン。結局誰からの着信ですか。ミンカとの不仲を起こさせるためだけのプロット上の単なる装置にしか見えません。これ多分映画でも共通だと思うんで、映画を見に行く気がうせました。サントラだけ買って終了かな。