私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

終わりのクロニクルの終わり

良。良。優。おなかいっぱいです。
最終巻は怒涛のリフレインで圧倒だだだ!
まさか小説を読んで「おのずと自分の中から歌が出てくる」とは思っていませんでした。
あと本筋と全然関係ないが中国の扱いがいかにも「ステロタイプ・味方・中国」なのが笑った。

さてシリーズ通して考えれば、なんつーかこの「終わりのクロニクル」という小説は濃くて重いなあと。

読みこなすにはゲームの文脈、特にシューティングの文脈を中心にAVGRPGやエロゲの知識を要求する。また、X68kの世代の空気を感じていたほうがよい箇所があったり、都市シリーズに慣れていなければニヤリとできない箇所があったりする。濃い。本当の対象は作者と同年代の者ではないのだろうか。
またオリジナリティの高い世界設定と多数の人物を存在感を持って書いているだけではなく、その中に「作者の影」がふんだんに散りばめられている。重みがある。
つまりこのシリーズを通して読んでいるものは主人公の生活や人生や冒険ではなくて、川上稔という作家自身の顕現のひとつなのだ。
http://cgi.din.or.jp/~arm/whatsnew.cgi
この作者の日記を読むと良い。都市、終わクロといった大作シリーズの続きが「本の上の物語」から「ある作家のWEB日記」と表現が変化しただけでそのまま読めるはずだ。コンテンツは「川上稔」であって不変なのだから。