私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

人質は自分

人質は、自分。

http://d.hatena.ne.jp/plummet/20061108/p1
http://d.hatena.ne.jp/essa/20061108/p1
この辺の話。会社で
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061107k0000e040057000c.html
をうっかり読んでしまって泣いた。ドライアイ対策の目薬をあわててさして、ごまかすしかなかった。いまも読み返してうっかりまた泣いてしまった。
少し放心して、いくつか連想したことがある。

アルジャーノンに花束を

手紙の語り口は幼く、決して流暢ではない。誤字もあるし、きっちりとした頭の良い子が書く文章には見えない。公開されている封筒の宛名写真の文字も幼さを感じさせる。小学校4年生ぐらいだろうか?
しかし、追い詰められた子供の心情があふれて焼き付けられた名文になっている。

デスノート

「死ぬな、死ぬ気でやれば何でもできる」という、自殺志願者によくなげかけられる言葉がある。
死ぬ気でやったんだ。全力を出したんだ。そう思った。
この子は国語の成績はおそらく良くないだろう。しゃべる言葉もすらすらとは出てこないのだろう。それがいじめられる要因の一つなのかもしれない。でもこの子は確実に賢い。鉛筆の力だけで大臣を簡単に動かしてしまった。死ぬと決めている、自分にとってあまり価値を認めることのできない命を元手に国家を揺すぶった。これは凄い才能だ。自殺をちらつかせて大臣を脅す。こう書けばシンプルで誰でも思いつきそうだが、今まで一人でもいたか?ここまで真に迫った文章で他人の心を動かした奴は。
匿名で出した点も良い。これにより、自分だけではなく類似の境遇にある者全てに救済の手が及ぶ可能性が出てくるのだ。この子を救うには決行の11日よりも前に、大臣から末端の教師までが態度を変えて対策をしなければならない。自分の教室、自分の世界だけの改善では許さない。結果として自分は死ぬとしても、同じ境遇にある他の子が助かる。そんなメッセージを感じる。
いたずら、狂言の可能性はもちろんある。でもそう仮定した場合の動機を考えてみて欲しい。世間を騒がせたい心だけか?利他的な心、読み取れませんか?いじめられている当人でないなら、いじめを目撃して巻き込まれるのが嫌で見てみぬ振りをしている子が書いているのだと思う。
世間を騒がせたいなら、いじめっ子を殺すと殺人予告すればよい。そうしないで「責任を感じて自ら死ね」というあたり、すさんだ心の中にやさしさを感じた。

自分の小学生時代

あなたは死のうと思ったことがありますか。私はあります。
あなたは殺そうと思ったことがありますか。私はあります。
もうすっかりおじさんとなってしまった今では、あの時実行しなくて良かったと思うし、加齢によって磨耗してしまった心はあのときの激烈な感情を思い出しても平静でいられます。
場所を変え、時間を変えれば乗り越えられるというサンプルがここにいます。全ての少年少女よ、死ぬのをやめてください。生きる道は必ずどこかにあります。
どうしても死ぬのなら、いじめた者を最大限に苦しめる方策を考えて実行してからにしましょう。それからでも遅くありません。なにもせず死んでしまったらあなたのことなんて来年は覚えていないでしょう。あなたの命を相手に深く刻んでやりなさい。

自分に何もできない歯がゆさ

言うばっかで私はなにもできない。私にできることはないのだろうか。いじめから避難して対策を練る一時の場所の提供でも何でも、何かが。