人類は衰退しました
優。
- 作者: 田中ロミオ,山崎透
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/05/24
- メディア: 文庫
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ファンタジーに見えてものすごい時事ネタ満載でもあるし、主人公のキャラクタや世界環境は今現在のみ、さらにライトノベルのジャンルでのみありえる造形だ。
妖精さんのほにゃほにゃしたキャラクタが愛らしいが、なんとなく今のWEBをも思わせる彼らの性質に親近感もわく。
加えて私は「静かに滅亡していく時代」ものが大好きだ。これで評価を悪くするわけがないよ。
「ええと、何か召し上がりますか? それとも――」「あなたたちのことを私がおいしく食べてしまいましょうか?」
「わごむすきなんですなー」
「……完全に私の作ったお菓子ですやん」
「どーしました? たいりょーですが?」
『四月期報告』の硬いお役所文章の裏で何が起こっていたのか知っている共犯者的喜びとか、この作家はいろいろとよくわかっているなあ。今後注目していきたい。