私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

聞いちゃいけない事で自分も良くわかっていない事を正面切って聞かれた

「兄さん、聞きたいことがあるんだけど」
なんだ弟*1
「センスオブワンダーって何?」
げひゅっ(お茶を吹く音)お、おまえな、それは滅びの呪文だよ。それをSF者の前で言ったが最後SF者同士が永遠の討論を始めるぞ。類似品に「SFって何」「ライトノベルって何」「萌えって何」があるぞ。
「で、何なのセンスオブワンダーって」
よいSFにあるとされているものだ。
「よいSFって?」
センスオブワンダーのある創作物だ。
「よくわかんない」
わかんなくてよろしい。
「どうしても知りたいんだけど」
あー、じゃあてきとうにごまかすぞ。よく音楽で「ソウルがある」とか「スピリッツを感じる」曲って表現があるだろ。あんな感じ。SFを読んだ読者が「SF的に感動した」本を指して「センスオブワンダーがある」っていう。
「具体的にストーリーのここがこうなってるとセンスオブワンダーがあるとかいうのではないの?」
えーと、宇宙船と光線銃持ったヒーローとおっぱいの大きいグラマーねえちゃんが出てきて大冒険みたいのはセンスオブワンダーがないことになってる。具体例思い出せない。ディスガイアに出てきた地球勇者みたいな。
まあおおむね斬新なSF的仕組みを発明してそれを軸に小説を書いて読者を心底びっくりさせたら「センスオブワンダーがある」ことになるけど、そうでないのもあるといわれるし。
「ソウルフルな歌」を旋律に戻して解体し、別の曲を作るときに流用したらかならずソウルフルな歌になるかっていうとそうじゃないのと同じで、アシモフの3原則ものから3原則を流用してもセンスオブワンダーがあるわけじゃないのな。楽園の泉にあってもガンダム00にあるとは限らない。
「アイディアぱくったらダメってこと?」
いや、そうじゃなくてうまく生かしているかどうかというか…

  • SF的に矛盾のない論理的説明ができるご都合主義でないストーリーであって、
  • 読者を驚かせるようなうまい落ち、できれば斬新な仕組みの落ちがついていて、
  • 面白くてわくわくするもの

でどうだ。納得した?ていうか納得しろ。
「よくわかんない」
それで良い。

*1:比較的本を読まない子です。