私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

アイドルマスターはどんなゲームか

アイドルマスター2の発表があったというのにXBOX360の1の話をします。対象読者はどんなゲームか知らないけれど映像だけはニコニコ動画youtubeで見たことがある方。

アイドルマスターというゲームの根本

アイドルマスターを一言で表現すると「タイミング命の重み付きじゃんけん」となります。こういう分類にしてしまうと3すくみの要素がある遊びがほとんど全て同一の分類に入ってしまいます。このあいだまで私の遊んでいたブラウザ三国志もそのように表記可能ですし、たしかムシキングなども同じだったと思います。
私が特にプレイ感覚が似ていると感じたのは対戦格闘ゲームです。投げ・防御行動・打撃が3すくみになっており、キャラクターごとに強いものが決まっています。強いからといってもその技ばかり出していてはじゃんけんに負けてしまうわけですが、意表を突くためにキャラクターらしくない行動をとらせていても勝利はおぼつきません。
アイドルマスターのじゃんけんの重みは「アイドルのパラメータ」と「流行」からなる2重の構造になっています。アイドルのパラメータは同じじゃんけんの手同士の相対的な強さで、育成を通してプレイヤーが決めます。*1格闘ゲームのようなプリセットの強さを持つキャラクタではないわけです。流行はあるじゃんけんの手で勝利した場合に得られる配点の大きさで、1位が5点、2位が4点、3位が3点などのように異なっています。ゲームを進めているうちに入れ替わりますから、アイドルのパラメータが極端だとゲーム難しくなります。パー特化キャラクザンギエフがステージ進んだら得意技スクリューパイルドライバーのダメージが4割引にされてて涙目、みたいな。

アイドルマスターの進行

  1. プレイヤーは「プロデューサー」と呼ばれます。プロデューサーはアイドルを1年間育成して、なるべく多くのファンを獲得するのが目的です。獲得人数によってアイドルのランクが決まり、ランクごとに異なるエンディングが用意されています。
  2. ファンを獲得するには、「オーディション」という名のじゃんけんに勝つ必要があります。
  3. オーディションに勝つために、「レッスン」を行いキャラクターを育成して攻撃力を上げる必要があります。
  4. また、オーディションにおける必殺技*2である「思い出」は有限個のストックを持つ消費資源なので、「営業」を行ってアイドルと対話を行い、増加させる必要があります。
  5. 「オーディション」に勝利するとプレイヤーへのご褒美としてTV出演の様子が流れます。これが動画サイトで見ることのできる内容です。自分で見ることのできるのは、大抵歌詞とちったり転んだり振り付け止まったりしてしまいますが…
  6. 1年間には52回の行動のチャンスがあります。オーディション、営業、レッスン、いずれもひとつで1週間消費してしまいます。

レッスン

ミニゲームです。上げようとする能力によってゲーム内容が異なります。覚えて再生、順序の並べ替えタイムアタック、簡易な音ゲーなどなど。シンプルですがレッスンの効果を最大限にしようとするとゲーム得意な人でないと無理かと。

営業

営業に行く先を選ぶと、ギャルゲ/エロゲ的インターフェイスでアイドルとプロデューサーの会話が進行し、成果として「思い出」がストックされます。選択肢によって思い出の獲得数は異なります。「パーフェクトコミュニケーション」となる選択肢で最大数が得られます。

オーディション

戦闘です。オンラインの対人戦もありますが、自分のアイドルを成功させたいならなるべく避けて通るのが好ましいようです。なぜなら人間は強いので。一人でも多くのファンを獲得するには負けていられないのです。ただ対戦ゲームの常として対戦した方が楽しいわけですね。

  1. オーディションに行こうとすると参加できるオーディションの一覧が出るので、適切なものを選びます。一覧では獲得できるファンの数、相手の大体の強さ、勝利条件*3がわかります。
  2. 参加すると戦闘画面になります。
  3. 戦闘画面では攻撃のチャンスが9回×3回あります。育てているアイドルの歌が流れ、その曲のタイミングに合わせてダンス、ボーカル、ビジュアルのじゃんけんの手か、3つの兼用である必殺技「思い出」のキーを叩きます。この攻撃のことを「アピール」と呼び、タイミングが完璧だと「ジャストアピール」となって攻撃の効果が高くなります。
  4. 必殺技「思い出」は諸刃の剣で、ボタンを押すとルーレットのように成功失敗のスロットが回り出しきちんと成功に止めないと逆効果になってしまいます。
  5. 他のプレイヤー、つまりネットの向こうで操作している人のキャラクタやコンピュータ操作キャラクタの歌や姿を見ることはできません。対戦相手の行動が反映されるのは「審査員」の影絵で表現される「興味」の数値表現グラフが主です。審査員はダンス担当、ボーカル担当、ビジュアル担当の3人いて、各々の興味は担当の攻撃が打ち込まれると減少します。思い出で攻撃すると回復します。通信量が少なくても多少のタイミングがずれても対戦が成り立つうまい戦闘だと思います。
  6. 9回の攻撃でじゃんけんの手各々で得た得点を合計し、何位になったかによって「☆」が得られます。順位が高いほど、また流行の手であるほど得られる☆は多いです。ここがじゃんけんの駆け引きになります。
  7. 興味の値がゼロになるほど攻撃が打ち込まれると、審査員が帰ります。その場合、担当の審査員から稼いだ☆は無効になってしまいます。ここにも駆け引きの余地があります。

TV出演

オーディションの合格条件を満たせばTV出演になります。ここでやっと自分の担当するアイドルが踊って歌うのを楽しむことができるご褒美画面です。

プレイしてみたら意外とストイックなゲームでした

可愛い女の子といちゃいちゃするためのゲームでは全然ありませんでした。ずっと営業していればまあいちゃいちゃできるわけですが、必殺技のストックばっかりためてもゲーム的にあまり意味がないわけです。ちゃんとアイドルを育てようとすると行動決定前の挨拶と行動後の挨拶ぐらいしかアイドルが話すのを聞く機会がありません。事務的です。レッスンで必死にミニゲームしたあとでオーディションで画面と音に集中してタイミングを狙い、☆をひとつでも多く獲得するべく手薄なところにアピールしたり自分以外が得意としている審査員にお帰り願ったり考えながらボタンを叩き続けるゲームでした。緊張感が対戦格闘と対して変わらなかったです。

*1:育成による変化の上限はキャラクタ別に存在するようだ

*2:じゃんけんの全ての手を兼用する上に、追加の効果もある

*3:3位まで合格、一位のみ合格、流行にかかわらず手の強さが固定、など