フィクションはちょっと…だとぉ!
たまにいるんですけどね、ライトノベルとかSFとかFTとかミステリとかその他の話をしていると出てくるこういう人。
私は実用書は読むが、フィクションはほとんど読まない。時間に対して得られる物が少ない。ベストセラーのアレぐらいは読んだがやっぱり駄目だった。面白くない。
はあぁぁぁぁ?
あっちいけ。
――イリヤ正直なところ、私はこの手の発言をする人を心底哀れに思います。彼らは文字の読み方は知っているが、本の読み方を知らないのだねと哀れみます。
- 実用書はそこから得た知識を役に立てるために読む。役に立つ知識を仕入れられれば、面白い。
- フィクションは本の中で遊ぶために読む。中で行われた遊びが楽しければ、面白い。
- ベストセラーは他人と話すネタにするために読む。他人と話すために使えれば、面白い。*1
どんな本に対しても「知識を役に立てるために読む」という読み方をしたらそれはフィクションをつまらなくすることうけあいでしょう。また、実用書や教科書を中で遊ぼうと思って読んだらそれはつまらないでしょう。例外としてすごい実用書は本の中で遊べるし、すごいフィクションは知識や本の中で遊んだ体験における情動の変化がその後の人生の役に立っちゃったりもするけど、それはあくまで例外。同じように文字情報を取り込んで脳で解析するようでも、その形態がまったく違います。また、面白いかどうかの判定関数も別物です。
以上、そんなわけで彼らは本の読み方を知らないのです、という話でした。*1:実用書のベストセラーは書いてある知識について話し合う。フィクションのベストセラーは中で遊んだ体験について話し合う。