私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

彼女たちにはワールドワイドウエブでは自由すぎる

WWWは自由すぎて、無法すぎて――私などはそのあまりの完璧さに心地よくて仕方がないのだが――ある種の人たちにはあまりにも不完全なものに思えるらしい。だから閉鎖された不自由なものを作る必要があると思うんだ。その幼く無邪気で純粋な魂達のために。
それは同じ傾向を持つ村人のためのクローズドな電網。DCW:同人クローズドウエブと名づけよう。
必要な機能の一覧は以下のとおり。*1

  1. 無断リンクディープリンクの禁止機能
  2. CGの勝手なローカル保存禁止機能
  3. 俺様利用規約の徹底
  4. 属性による閲覧制御機能
  5. くねくね支援機能
  6. 聖戦機能
  7. 独裁スイッチ

無断リンクディープリンクの禁止機能

まず根本的にブックマークできないようにするにはどうすればよいのか?と考えた。それには、見ている本人しか見ることのできないURLだけを提供すればよい。ブラウザのお気に入りに入れることはできる。しかし、そのURLを誰かに送信しても絶対に見ることができない。
…他人のページを見ても自分のページを見ていることにすりゃ良いんじゃないかな?システムにログインするとアクセス権のある自分のファイルしか見ることができないみたいな。他人のページを見るという動作はなくなって、他人のファイル群に複製依頼を出して許可された場合のみ自分のファイル群に入った他人のファイルを閲覧できるというように。
利用イメージを挙げてみる。

  1. まずDCWにログインする。あるユーザのIDがoreでその友人がanataとしよう。
  2. 友人のトップページのURLへブラウザのブックマークから飛ぶ。このURLは万人に共通。(例:http://example.net/~anata/2chはてブからここに飛ぼうとすればDCWのアカウントがないので見ることはできない。
  3. トップページは通常のHTMLのように見えるが、リンク先は通常ではない。

例えばhttp://example.net/~ore/12345/diary.htmlのようにする。まず、ログインして閲覧している本人のアカウントを必ず入れる。URL晒しができないようにするためである。また、誰のページを見ているか類推不可能なように本人が何人目にそのユーザにアクセスしたかの識別コードを使ってURLを構成する。user:oreから見ればuser:anataは常に12345番と見えるわけである。user:dareから見ると12345番http://example.net/~dare/12345/は全然別人が表示されるので晒されたURLを見て類推でアクセスすることもできない。
リンクを踏んだ場合、anataに対する認証(後で述べる)が済んでいればそのままanataのコンテンツがoreに対して表示される。自分のアカウント下のファイルとして扱われるため、そのURLを誰に晒しても自分と同一のIDを持っている者しか見ることができない。

CGの勝手なローカル保存禁止機能

UPしたCG*2は全て勝手にDRMで保護されたストリーミング動画形式に変換されて配信される。(動画だけど全然動かない)普通の人には保存とかできないので保存できない。CGを壁紙にしたい人向けに、CGくださいメール(メールといってもDCW内のメッセージ機能だろうな)を簡単に打てるボタンが表示される。

俺様利用規約の徹底

ユーザが他のユーザのコンテンツを始めて請求した際に、かならずユーザが定義した利用規約が表示され、それに同意しないと請求が認可されない。
自分で書くのがめんどくさい子むけにデフォルトの規約が用意してあり、その規約は極めてクローズドな他言無用・晒し禁止系のものになっている。

属性による閲覧制御機能

「逆カップリングの人とは話したくない」「BLがOKな人以外に見てほしくない」など多様なニーズに答える機能。
DCW入会時に、自分の属性をタグの形で申請せねばならない。「ククxゼシ健全」「生もの」「キラxアス」「流川総受け」とか暗号にしか思えない形のアレを自分であると思いつく限り書くことを求められる。支援のためにタグクラウドも表示され、その中から追加することもできる。
この自分属性タグを使ってアクセス制御をする。自分のページはタグ「A」を持つユーザに

  1. 存在を知らせない(検索しても出ない、リンクを踏めない、メッセージを送れない)
  2. トップページのみ許可、それ以上はアクセス時に相手のIDから許可確認が飛ぶ
  3. 閲覧を許可する
  4. 罵詈雑言メッセージを表示する。(例:このページは「生もの嫌い」な方には見せません)メッセージは当然送れない。

などの設定をタグごとに行うことができる。

くねくね支援機能

  1. mixiのあしあと機能のような見られたことを検知する機能を搭載。素通り禁止も設定OKその場合見たのに書かないと警告メッセージがシステムから飛びまくる。
  2. お祝いプレゼント機能。user:hogeが「アクセスカウンタが指定の数値になったor誕生日など特定のイベント日になった」条件でファイルを送信するといったことを事前に登録して条件が満たされたら自動で送付されるようにできる。ファイルでなくてDCW内のストアで買った商品や、手作りの物品(を事前にDCW管理会社に送付しておく)でも可能。相手の住所を知ることなく贈り物ができる。
  3. プレゼント機能そのに。キリ番を踏んだ人に自動で上記のように何かを送ることができる。

聖戦機能

DCW内の掲示板などで対立したとき、戦場(という名の全ユーザに公開された特設掲示板)を用意して徹底的に罵りあうことができる。対立した双方の本人を王とし、王からコンテンツの閲覧を許可されている者を騎士とする。掲示板には王と騎士のみが書き込むことができ、王の書き込みは大き目の目立った色のフォントで、騎士の書き込みは小さめに控えめに表示される。王は騎士の書き込みを王と同じように目立たせるピックアップ権も持つ。
双方に閲覧を許可されている者はどちらの立場でも発言できるが、戦場作成時に設定された期限までにどちらに付くか決定しなければならない。味方に付いたユーザの数で勝敗は決まる。
また、勝とうが負けようが味方に付かなかった者は以後「反ore」のようなタグが付く。デフォルト動作では「反ore」に対するoreのアクセス管理は「存在を知らせない」になるので縁切りになる。

独裁スイッチ機能

既にタグによるアクセス制御として述べているが、気に入らない人をシステム上で自分から見えなくすることができる。見えなくした人はメッセージの受け取りが不能、ページの閲覧が不能、DCWトップページ検索システムで検索しても出てこない、掲示板の発言が見えないなど「自分にとって最初から完全にいなかったことになる」のである。
個人ID単位はもちろん属性タグ単位でも可能で、ガンガン押していくことができる。
また、自分のコンテンツを閲覧許可したIDがそういった御禁制タグ/ユーザに接触した場合、それを検知したメッセージを自分に送る機能も付いており、自分を裏切ったユーザを問い詰める手がかりにすることができる。

あなたの正義の名の下に殺伐を殺した後の殺伐に私は耐えられない

さて、WWWではないクローズドなWebの提案、いかがだったでしょうか。これを面白い!使いたい!と思った人は自分で開発すると良いと思います。*3
私は上記条件を全て満たしたシステムは願い下げだけどね。確実に閑古鳥が鳴くと思うし。
どうですか?tinycafeさん。こういう世界が欲しいんでしょ?
私のような人間はWWWはこういう世界じゃない、こんな風になったら気持ち悪い、と思っているんだよ。

*1:ただし、以下の解説には現実に即していなかったり無理のある物が入っていることがあります。私は組み込みプログラマに近い仕事をしているため、実務でWEBにさらす会員制サイトを構築した経験も勉強した経験もないためです。ユーザーが言うドリームを少し現実側に押し込んだアイディアであるとお考えください

*2:追記:他のコンテンツについて。動画をUPしても自動でDRMがかかる。文字コンテンツについても、特に守りたい場合には簡単な操作でFlashに変換され、本のページをめくるように読める機能がある。自動スクロールの動画への変換もあり。

*3:開発能力のない方は有能なGEEKにお金を渡して開発させると良いと思います。多分2千万ぐらい渡せば1年の運用込みで構築してくれるんじゃないかな