私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

長いお別れ

並。
これってすごい有名な本だったと思うのだが、読んだ覚えがないので読んでみた。
名作という話を聞いていたのだけど、がっかり。
たぶん訳文の文体があわなかったのだと思う。あと1954年という時代が私は理解できていないのだと思う。
地の文では一人称が「私」で、台詞の中では「ぼく」というひらがな表記、どこまでもやわらかい文章なのだけれども、主人公の行動はそのやわらかさに全く釣り合わない暴力的なもの。とりあえずむしゃくしゃしたので通りすがりのキャラクタ名もない男をこづき回してみたりするのだ。本筋に全く関係ないしソレ。で、すぐにセックスの話題だすというか出てきた女はみんなビッチ扱いなんだけど濡れ場はないとか。女性キャラもどうせやりたいんだろあんた的な会話するし。あれーお金持ちのとこの女性なんじゃないのあなた。
主人公といまひとつ同調できなかった時点で私はこの本には感覚が合わなかったんだなあ。強烈な友情とその喪失とかを表現してると思うのだけど。だめださらっとうわっつら読んじゃった。