私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

合コン説教

私は駅前を歩いていました。
居酒屋の多数入ったビルの下を通りかかった時のことです。
ひとりのまるぽちゃっと太った女の子が5人の男に囲まれていました。
男たちは真剣な面持ちで女の子を見つめています。
女の子の正面にいる青年は口を開き、ゆっくりと語りだしました。
「合コンって、なんですか。あなたは合コンを何だと思っていますか。」
うん……
女の子は消え入りそうな声で相槌を打ちました。
「合コンは飲み会じゃないでしょう。目的があるでしょう?」
うん……
「合コンの目的はね、カップルを作ることでしょう。」
うん……
「8対3でどうやってカップルを作れって言うんですか?おかしいでしょう?」
うん……
「あなたが8人だというから僕はきっちり集めたでしょう。あなたはどうなんですか?」
うん……
説教はとまりませんでした。青年は猛省を求めると共に、現状について対策を強く要請していました。
女の子は泣きそうな顔でひたすら相槌を打っていました。
誰も止めませんでした。私も止めませんでした。