私は私だけのみかた

しかし真に利己的に行動することは尋常の知性では難しい。

私と本

私の本読み人生は母の読み聞かせから始まっています。幼稚園前にやたら絵本を読んでもらった私は幼稚園児のころにはルビのいっぱい振ってあった少年向け書籍をもりもりと読んでいたそうです。暖かい日差しの中、テーブルの上にあぐらをかいて子供向け百科事典の車の項を読んでいる所が確かに記憶に残っています。
小学校に入って低学年のころにはあまり読んでいませんでした。正確には記憶がありません。
小学4年生のころに学校の図書室でマガーク探偵団とドリトル先生を見つけ、おはなしの面白さにてきめんにはまって5年生までには小説をほぼ全部借りて読みきりました。原動力は面白いという点だけではなくて逃避でした。めだってチビだった自分はあからさまにからかいの対象となっていて、なにか楽しい自分ひとりの時間が必要でした。また、母が友人と張り合って当時流行していた中学受験をさせようと思い立ったために厳しい塾通いが始まり、部屋で遊んでいることが許されなくなってきたストレスもありました。放心していたりテレビを見ていたりしたら叱られますが、本さえ読んでいれば文句を言われなかったために読書量は増えました。
中学校になんとか滑り込んで放心し暇になった私は、今度は小遣いが少なかったために安い娯楽を必要としていました。ある日歯医者の順番待ちで溢れた受付から抜け出した私は、古本屋で激安ワゴンの本を立ち読みします。この時出会ったのが赤川次郎三毛猫ホームズのびっくり箱」で、初めて自分で本を買うことを覚えました。
赤川次郎は古本屋にも区の図書館にもとても充実していましたから、安価な娯楽でした。またやたらと読みふけりました。次に手を出したのはアイザックアシモフです。「われはロボット」から3原則物を読んで、SFに徐々に進みました。宇宙船スカイラークとか。
中学3年生のあたりで、誰の物とも知れないフォーチュンクエストが教室の後ろのロッカーに置いてあったのを見つけて読んだのがライトノベルとの始めての出会いです。フォーチュン、ロードス、ソードワールドRPG関連小説にどはまりして、小遣いがすぐになくなりました。区の図書館にはライトノベルは本当にわずかしかなくて、読みきったあとに周辺のミステリ、SF、FTに手を出しました。ここは作家名単位で「小説」というくくりで置いてあったため、なかなか新たな小説と出会いづらかった感じがあります。ジャンル別において欲しかったなあ。でもここでディックフランシスの競馬ミステリと出会うことができました!私の心のありように与えた影響は絶大なものがあります。
高校では受験勉強漬けの生活でしたが、逃避のために少しづつ読んでいました。
そして大学。
バイトができます。お金ができました。原付に乗れるようになりました。その結果、ライトノベルのどうしても読みたい新刊のみを買い、公共交通だと不便な市の図書館まで足を伸ばして本を借り放題借りることに。そこは文庫がレーベル別に配置してあり、SF/FTならSF/FTで、純文学なら純文学で、ライトノベルならライトノベルでテーマを絞って読むことができました。また蔵書量が多かった。この時期に借りた本でやたらと地雷を踏んだのがよい経験になっています。SFの文庫棚を殲滅してみたり、ライトノベルを殲滅してみたりしました。
就職。
お酒を飲みに行くと一回5千円かかることに驚愕。先に金を使ってしまえとばかりによさそうな本を見たら即決で購入する体質に。迷わず積めよ積めばわかるさ!
ただし時間の余裕がなくなって、Amazon以外で買うことが難しくなりました。リアル書店に行く暇がなくなり立ち読みができなくなったわけです。図書館の開いている時間になんかいけませんし部屋にライトノベルと技術書が積もっています。結果として新たなジャンルに触れることが激減し、SFすらほとんど読まなくなってしまいました…買うのは既存シリーズや知っている作家の続編ばかり。これじゃあいかんなあ。早く部屋の本を減らしてSFを買わなくっちゃ。